古紙回収には無料と有料のものがあります。無料だと有料と比べ不安になる方もいるでしょうが、十分なサービスを提供してくれます。例えば、雑誌や新聞はもちろん、オフィスで使用していたり、学校のイベントなどで使ったりした古紙も回収可能です。回収してもらえる日時も、自分のスケジュール状況と回収業者とすり合わせて決められます。
古紙回収を無料で行えるのには、きちんとした理由があります。例えば、廃品回収で集められた金属類は高熱で溶かして鉄鉱石の状態へと戻し、再度別の形状へと加工することで再利用が可能です。無料の古紙回収も全く同じであり、回収した新聞紙や雑誌、書籍など古紙に薬品をかけて原材料の状態へと一度戻し、再生紙として生まれ変わらせることができます。回収を経て再生された紙は、国内および国外の製紙業者へと卸売販売をすることで利益が発生するため、古紙回収作業が無料でも事業として成り立っているのです。
古紙のリサイクルは、現代において深刻な命題です。第一に、CO2の排出およびオゾン層の破壊によって地球温暖化の危機が危ぶまれています。紙を製造するためには原料となる木材が必要です。木を伐採すると光合成を行う植物が減少するため酸素量は減りますが、車の排気ガスなどで人間が現状量のCO2を排出し続ければ、CO2の量は増えてしまいます。再生紙を活用することは、木材の伐採数を抑えることにつながり、地球環境の保全に役立つ有効策です。
なお、社会や経済の発展に伴い、生活文化が向上したことによって紙の用途が多彩になり、その需要はさらに増え続けています。再生紙を適した方法で処分することは、樹木の伐採を減少させることはもちろん、伐採作業の手間や原材料の無駄遣いを省くことにもつなげられ、資源の効率化とそれに伴う経済活動の発展にも大きく貢献しています。
古紙のリサイクルの流れとしては、まずは無料の古紙回収がスタート地点です。企業や工場、商業施設などあらゆる箇所から出た紙ゴミを全て回収したのち、回収業者にて一時的に古紙が保管されます。搬出にはビニール紐を用いることが多いため、紐を取る機材もしくは手作業でビニール紐など不純物を取り除いて、そこからは紙質ごとに古紙の分別作業が行われます。分別が完了したら種類ごとにリサイクル作業を行い、プレス機で梱包します。梱包が完了した古紙から、製紙メーカーへと出荷して販売という流れになります。